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手術支援ロボット「ダヴィンチXi」導入

三田市民病院で最先端医療を――最新機種Xiの導入は阪神北地域で初、兵庫県下で2施設目 davinci_image1.jpg

ダヴィンチとは?

手術支援ロボット「ダヴィンチXi」は、医師が遠隔操作でおこなう腹腔鏡手術を支援する手術用機器です。その操作は次のようになっています。

  1. 麻酔をした手術台上の患者さんの腹部に、5~8mmの孔を数か所あけ、アームを挿入します。
  2. 執刀する医師は操縦席に座り、高倍率・高画質の3D画像を見て手元のコントローラーからアームの先に装着した内視鏡や手術器具(鉗子(かんし)など)を遠隔操作します。
  3. モニターに手術中の画像が映し出され、手術スタッフは執刀する医師と同じ画像を共有できます。
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ダヴィンチ手術の特徴

患者さんへの負担が少なく、精緻な手術が可能

  1. 従来の手術に比べて傷が小さく(図1)、良好な視野で操作できますので、出血も抑えられ、手術後の痛みも少なくなります。したがって、回復は早く、入院期間も短くなり、患者さんの負担が軽減されます。
  2. 器具(鉗子(かんし)、図2)は人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えており、安定した操作ができます。また、操縦席の医師は、高倍率・高画質の3D立体画像を見ながら、実際に患者さんの体内を覗き込み、当該部位に手を入れて操作しているような感覚で手術ができます。安定した操作と拡大された視野により、細い血管の縫合や神経の剥離などを正確におこなうことができ、精緻な手術が可能になります。

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(例:前立腺全摘出手術)

保険が適用

平成24年度から泌尿器科がおこなう前立腺がんに対する前立腺全摘出手術、平成28年度から腎がんに対する腎部分切除手術に健康保険が適用されました。また、平成30年度には、胃がん・肺がん・直腸がんなど12の手術に健康保険が適用されました。費用は従来の手術と比較して若干高額となりますが、高額療養費制度により実際の負担額は従来と変わりません(額は所得により異なります)。
当院では、前立腺全摘出術からダヴィンチ手術を開始し、その後の健康保険適用拡大を受けて、平成30年9月よりダヴィンチによる胃がんの手術を導入しました。
泌尿器科については、こちらをご覧ください。
外科・消化器外科については、こちらをご覧ください。

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Q&A

どんな手術でもダヴィンチが使えるのですか?

すべての手術でダヴィンチが使えるわけではありません。ダヴィンチは、泌尿器科や消化器外科、婦人科、耳鼻咽喉科、呼吸器外科でおこなう手術に使用されています。また、保険が適用されているのは、平成24年度に承認された前立腺がんに対する前立腺全摘出手術、平成28年度に承認された腎臓がんに対する腎部分切除手術、平成30年度に承認された胃がん、肺がん、直腸がん、子宮がんなどに関わる手術です。当院では、前立腺全摘出手術からダヴィンチ手術を開始しており、65例に施行しています(平成31年3月末時点)。また平成30年度からの健康保険適用拡大に伴い、同年9月からダヴィンチによる胃がんの手術を導入しました。

ダヴィンチによる前立腺全摘出手術について教えて下さい。

前立腺は、骨盤の最も奥の狭い空間に位置しており、手術の難しい臓器です。このため従来の手術方法では、前立腺全摘出手術において、尿の漏れを防止する働きをする尿道括約筋や、患者さんのQOL(quality of life、生活の質)に関わる神経や血管を損傷せずに前立腺を摘除することは、かなり困難なことでした。ダヴィンチでは、上述のように正確で安定した手術器具の操作と高画質・高倍率の3D立体画像により、精緻な方法が可能になり、患者さんのQOLの低下を克服する手術が期待されます。

高齢者でもダヴィンチによる手術が受けられるのですか?

基本的に、開腹手術、腹腔鏡を用いた手術に耐えられる方であれば、高齢でもダヴィンチによる手術を受けることは可能です。ただし、前立腺がんに対する前立腺全摘出手術の場合、患者さんは頭部を低くした姿勢で手術を受けるため、緑内障、脳動脈瘤、重度の心疾患の方は、手術を受けられない場合があります。手術の方法は、患者さんとも話し合って、病状に応じて最適の方法を選択します。

ダヴィンチによる手術を受けるにはどうすればよいですか?

例えば前立腺がんの場合、治療方法は、手術、放射線治療、薬物療法を病状に応じて選択しますので、必ずしも手術をするわけではありません。手術をおこなう場合でもその方法は、場合によって異なります。まずは、泌尿器科の外来を受診していただき、担当医の診察を受けていただくことになります。

ダヴィンチによる手術の費用はどのくらいですか?

10日間の入院の場合、3割負担で45~50万円程度です。従来の開腹手術や腹腔鏡手術と比較して若干高額となりますが、高額療養費制度により実際の負担額は従来と変わりません(4万4,000円~26万円程度、所得により異なります)。

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