集合研修では、基礎教育で学んできたことを基に、看護が実践できることを目的とし、多くの事例を用いた体験型の研修と、問題解決思考を養うことを目的としたグループワークを基本に、楽しく考え、新しい発見や自分自身の意見を述べることができる看護師として成長してもらうための研修を行っています。
また、教育の主体は各部署で行うOJT(現場教育)を中心に行い、各部署で実施が難しい内容や、基本的な事柄に関する内容はOff-JT(集合教育)を行っています。集合教育で学んだことが各部署で活かせるように、OJTと連動した研修内容も企画されています。
看護師として必要な知識・技術を身に着けるため、採用時研修とラダーレベルに応じた研修・役割別研修プログラムを準備しています。
病院全体 新規採用者研修
病院職員としての集合研修
市民病院職員として、病院の概要・各部門の説明など、三田市民病院職員として採用された初期研修医を含む多職種での全体研修3日間
看護部 新規採用者研修
大きくわけて4つの研修から構成されます。
目的 | 主な内容 |
---|---|
看護部の概要を知る | 看護部概要 |
看護部の教育 | |
キャリアラダーについて | |
必要なシステムを知る | 電子カルテの使い方 |
情報収集の方法 | |
医療安全について など | |
看護の基本 | 看護記録とは・書き方 |
看護倫理 など | |
看護技術 ★新人看護師のみ | 採血・点滴静脈注射について |
点滴のミキシング演習 | |
シーツ交換 | |
寝衣交換・オムツ交換 | |
体位変換 | |
フィジカルアセスメント など | |
その他 | 病棟研修 |
手術室見学 | |
静脈留置認定研修(経験者のみ) |
- 新人看護師は約1カ月程度の研修を終えたのち、各部署に配属します。
部署配属後は、約2週間のケアを中心とした看護技術・コミュニケーション技術を取得する期間とし、患者の受け持ちを行わずに先輩看護師と一緒に行動し、基本的な看護技術について学んでいく期間を設けています。 - 経験者は、約2週間程度の研修を行います。
ラダーレベル別研修
ラダーレベル別の研修を実施(ラダーレベルⅠ~Ⅳを目指す人対象)しています。
ラダーレベルⅠを目指す人
目安
卒後1年目看護師
ラダーⅠレベル目標
基本的な看護手順に従い、必要に応じて助言を得ながら看護を実践することができる
看護の核となる実践能力 | ニーズを捉える力 | フィジカルアセスメント(呼吸・循環・消化器・脳神経・筋骨格) モニター波形の見方 看護過程 看護理論 多重課題 など |
---|---|---|
ケアする力 | 病態把握(がん・糖尿病・脳血管・心筋梗塞・認知症など) 感染管理 化学療法 周手術期看護 スキンケア 麻薬の管理 輸血の管理 急変時の対応 災害時の看護 など | |
協働する力 | 診療報酬の基礎 医療介護保険の概要 コミュニケーション など | |
意思決定する力 | 看護倫理 終末期の看護 など | |
専門職業人として行動する力(地域貢献) | 地域における当院の役割について 退院支援の仕組み など | |
組織的役割行動能力(組織貢献) | メンバーシップ(基礎編) 問題解決思考(基礎編) など | |
教育・研究能力 | 学び続ける力 | 基本的な看護技術の再学習 基本的な技術チェックの実施 など |
自己成長する力 | リフレクション ストレス対処 ケースレポートの取り組みについて など |
ラダーレベルⅠ取得のための必須条件
- リフレクション発表(11月頃)
- ケースレポートの作成取り組み(12月頃から)
ラダーレベルⅡを目指す人
目安
卒後2年目
ラダーⅡレベル目標
標準的な看護計画に基づき、自立して看護を実践する
看護の核となる実践能力 | ニーズを捉える力 | フィジカルアセスメント(呼吸) 急変せない看護 看護過程・看護理論 など |
---|---|---|
ケアする力 | 家族看護(基礎編) 看護記録(サマリーの書き方) 急変時の対応 透析の仕組みと看護クレーム対応 医療安全 認知症看護 がん看護 など | |
協働する力 | 地域包括ケアシステム コミュニケーション(情報伝達) 家族看護(基礎編) など | |
意思決定する力 | 看護倫理 緩和ケア(意思決定プロセス) など | |
専門職業人として行動する力(地域貢献) | 地域における当院の役割について 退院支援の仕組み 退院支援・退院調整(基礎編) など | |
組織的役割行動能力(組織貢献) | メンバーシップ(応用編) 問題解決思考(基礎編) など | |
教育・研究能力 | 学び続ける力 | 基本的な看護技術の再学習 基本的な技術チェックの実施 など |
自己成長する力 | ケースレポート ストレス対処 看護研究(文献検索・文献検討) など |
ラダーⅡ取得のための必須条件
- ケースレポート発表(7~8月頃)
- 看護研究 テーマ絞り込み
ラダーレベルⅢを目指す人
目安
卒後3年目
ラダーⅢレベル目標
ケアの受け手にある個別的な看護を実践する
看護の核となる実践能力 | ニーズを捉える力 | フィジカルアセスメント 重症患者の管理 アセスメント 看護理論 看護倫理と業務基準 など |
---|---|---|
ケアする力 | がん看護 呼吸器の仕組みと看護 感染管理 急変時のリーダーシップ 静脈留置認定 医療安全 など | |
協働する力 | コミュニケーション 家族看護(応用編) など | |
意思決定する力 | ACPの基礎 など | |
専門職業人として行動する力(地域貢献) | 地域における当院の役割について 退院支援の仕組み 退院支援・退院調整(基礎編) など | |
組織的役割行動能力(組織貢献) | リーダーシップ(基礎編) 問題解決思考(応用編) など | |
教育・研究能力 | 学び続ける力 | 論理的思考 エビデンスの活用 など |
自己成長する力 | ストレス対処 看護研究 など |
ラダーレベルⅢ取得のための必須条件
- 看護研究・論文作成・発表(院内)
ラダーレベルⅣを目指す人
目安
卒後6年目・7年目以降の看護職
ラダーⅣレベル目標
幅広い視野で予測的判断を行い看護を実践する
看護の核となる実践能力 | ニーズを捉える力 | フィジカルアセスメント 看護理論 など |
---|---|---|
ケアする力 | 医療安全 インシデントレポートの見方 など | |
協働する力 | コミュニケーション(合意形成) 人材育成 など | |
意思決定する力 | 家族看護(応用編) 倫理的アプローチ など | |
専門職業人として行動する力(地域貢献) | 地域との連携 退院支援・退院調整(応用編) など | |
組織的役割行動能力(組織貢献) | リーダーシップ(応用編) 問題解決思考(応用編) など | |
教育・研究能力 | 学び続ける力 | 論理的思考 エビデンスの活用 など |
自己成長する力 | ストレス対処 看護研究 キャリアデザイン など |
ラダーⅣ取得の条件
何らかの学会への参加経験があることが望ましい
役割別研修
実地指導者研修
新人指導の役割を担う看護師対象
新人看護師と関わる上での注意事項・指導方法など
実習指導者研修
実習指導の役割を担う看護師対象
実習指導方法・評価方法など
看護研究指導者研修
看護研究の部署内指導者対象
看護研究の基礎から指導のポイントなど
管理監督者研修
管理監督者対象
組織分析・リフレクションなど毎年内容を検討