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関節センター

反復性膝蓋骨脱臼

膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨が本来あるべき位置から外れてしまうことを膝蓋骨脱臼といいます。日常生活やスポーツ活動中に急な方向転換や着地の衝撃によって発生するケースが多く、特に10代から20代の若い世代でよく見られます。膝蓋骨が外側に外れてしまうことがほとんどで、膝蓋骨を外側に外れないように内側から押さえてくれている靱帯を内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)と呼び、脱臼によりこの靱帯の機能が破綻します。何度も脱臼を繰り返してしまうことを反復性膝蓋骨脱臼と呼び、この状態になると日常生活でもすぐに脱臼していまいます。

保存治療では太ももの内側の筋肉をトレーニングすることで膝蓋骨が外側に外れないようにしたり、膝蓋骨の脱臼防止用の装具を利用したりします。

手術治療では自家ハムストリング腱を用いた内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術をおこなっていますが、先天的な要因が原因で膝蓋骨が外れやすくなっていることもあり、脛骨粗面移行術などの骨切り術を併用しなければならない場合もあります。

手術後についてですが、術後より膝の可動域訓練(曲げ伸ばし運動)を開始してリハビリを進めていきます。筋力が改善してきたら術後3カ月でジョギングを開始し、6カ月程度でスポーツ復帰を許可しています。