反復性肩関節脱臼
肩関節において繰り返し脱臼するようになることを反復性肩関節脱臼といいます。肩関節脱臼は整復されると疼痛もなくなり、治ったように思われることが多いですが、実際は肩の前方にある関節包と関節唇から構成されている組織が肩甲骨側の壁から剥がれてしまい、それが安静にしていても修復されず、そのまま緩むことで肩が繰り返し脱臼するようになります。脱臼に対する恐怖感から生活に制限がかかり、スポーツ活動が不自由になります。
手術は関節鏡を用いて行います。糸のついたビス(アンカー)を骨に打ち込んで損傷した関節唇・緩んだ靭帯に緊張をかけて修復します。手術後は3週間装具での固定を行います。手術をした組織の修復には約3カ月を要するため、肩に負担のかかる競技やトレーニングの開始は術後約3カ月頃となります。
競技完全復帰時期はスポーツ種目や個人の回復具合により異なりますが、術後6カ月頃を目標とします。