主な疾患と治療法【内科】
糖尿病
糖尿病は、脳血管障害、虚血性心疾患、視力障害、腎不全、下肢循環障害、神経障害などの様々な障害を引き起こす疾患で、早期からの厳重な管理が何よりも大切です。糖尿病などの代謝疾患、ホルモン異常などの内分泌疾患を専門とする医師が、インスリン導入や栄養指導などの診療を行っています。また糖尿病の他にも、甲状腺、副腎などのホルモン異常による専門的知識を要する疾患の診療も行っています。
症状
糖尿病は症状乏しく自覚しないまま進行し、やがて合併症で生活の質を低下させ生命を脅かすこともある疾患です。眼や腎臓や神経に特有の合併症を起こし、血管を障害し動脈硬化症を進展させます。透析目前の腎不全、失明のおそれのある網膜症、脳梗塞や心筋梗塞、足壊疽などを契機に当科が関わることが多いです。これらの合併症予防が最も重要で、そのためには糖尿病の早期発見・早期治療と長期にわたる厳重な管理が必要です。
内分泌疾患は、糖尿病や高血圧の原因になることもあり、見過ごされていることも多い疾患です。体内ではさまざまな内分泌臓器が特定のホルモンを分泌し生体機能の調節を行っています。ホルモンの異常によって身体は不調を訴え、ホルモンの種類によって多彩な症状が出現します。
検査
糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の原因による糖尿病、妊娠糖尿病、と分類されます。糖尿病の病型診断および病態評価を行うために、血液検査・尿検査、画像検査を行います。
内分泌疾患では、主に血液検査によってホルモン分泌異常を検査し、画像検査と合わせて診断を行います。必要に応じて他科と連携しながら精査・診断を行います。
内分泌学的負荷試験等の入院が必要な精査は行っておりません。
治療
糖尿病
個人に合わせた治療支援、内服薬の調整に加え、自己血糖測定・インスリン自己注射の導入を行っています。透析予防外来では、糖尿病性腎症に対し多職種介入による治療支援・啓発を行っています。
糖尿病の治療を成功させるためには、糖尿病を正しく知ることが非常に大切です。そのために8日間の入院を基本とした教育入院を実施しています。教育入院が、糖尿病を知り、自身の身体の状態を理解し、生活を振り返り、血糖管理に取り組む契機になるよう、糖尿病チームが治療支援します。入院中に検査した病態や血糖変動をふまえ、個人に適した全身管理・薬物療法を選択・調整します。
その他に、他科との連携でさまざまな疾患・病態における血糖異常に介入しています。
内分泌疾患
ホルモン分泌が過剰になる機能亢進症では、薬物療法・手術などの治療があります。ホルモン分泌が欠乏する機能低下症では薬物療法によりホルモンを補充します。補充療法が一生にわたり必要になる場合には、安定すればかかりつけ医へ継続治療を依頼しています。
糖尿病教育入院
糖尿病のある方やご家族が日々の生活で血糖値を管理し合併症を予防するために、糖尿病療養指導士、糖尿病認定看護師など多職種が連携して実施しています。
教育入院を希望する方は佐久間医師の外来を受診してください。
- 糖尿病の病態や合併症の説明、治療方針の決定(医師)
- フットケア、自己血糖測定、インスリン自己注射などの説明・支援(看護師)
- 検体検査やエコー検査の実施とその説明。簡易血糖測定器の管理。(臨床検査技師)
- 病態に沿った薬剤の説明。服薬・注射実施率向上のための支援。(薬剤師)
- 病態やライフスタイルに合わせて一緒に運動習慣を見直します。長期間、自己管理ができるように有酸素運動や筋力トレーニング方法やポイントを提案します(理学療法士)
- 患者さんの病状、生活習慣を考慮し継続できる食事療法をサポートします。入院中は医師の指示のもと患者さんに応じた入院食を提供します。(管理栄養士)
コース | 日程 | 内容 |
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週末入院コース(4日間) | 金曜~翌月曜 | 検査、治療、支援 |
8日間入院コース | 木曜~翌木曜 | 検査、治療、支援、血糖管理 |
15日間入院コース | 木曜~翌々木曜 | 検査、治療、支援、血糖管理 |
糖尿病に関する講座
糖尿病の予防や治療について、「糖尿病デーイベント(11月)」や「糖尿病教室」などのイベントを開催しています。日程や内容については、決まり次第、トップページの「お知らせ」欄に掲載しますのでご確認ください。
たくさんの方々の参加をお待ちしております。