主な疾患と治療法【整形外科】
関節疾患
変形性関節症をはじめとする関節疾患の専門的治療を行っています。様々な関節疾患に対して単純X線撮影、MRI、CT、エコーなど各種画像検査に基づいた診断を行い、投薬やリハビリテーションなどの保存的治療、およびそれらの効果が出ない場合は手術による治療を行っています。
変形性関節症に対しての人工関節の手術をより安全に、より正確な手術を実現するため、人工関節置換術に「ナビゲーションシステム」を導入しています。当科におきましては、膝関節、股関節、肩関節に対する人工関節置換術を行っています。
変形性膝関節症に対し元の骨を温存する高位脛骨骨切り術も対象を限定して行っています。
肩腱板断裂に対して、関節鏡を用いて低侵襲な腱板修復術を行っております。また、修復不能な腱板広範囲断裂に対するリバース型人工肩関節置換術も行っています。
治療
- 変形性股関節症に対する人工股関節置換術
- 変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術
- 変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術
- 腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術
- 修復不能な腱板断裂に対するリバース型人工肩関節置換術
- 変形性肩関節症に対する人工肩関節置換術
スポーツ整形外科
整形外科的なスポーツ障害・外傷全般を取り扱っています。その中でも最もスポーツ障害頻度の高い膝関節・肩関節の治療を中心に、極力負担の少ない関節鏡を用いて治療を行っています。またスポーツ障害に対しては手術だけでなく、積極的にリハビリテーションによる症状の改善も目指しています。
治療
- 膝前十字靭帯損傷に対する鏡視下靭帯再建手術
- 半月板損傷に対する鏡視下半月板縫合術・部分切除術
- 反復性膝蓋骨脱臼に対する関節形成術
- 反復性肩関節脱臼に対する鏡視下関節唇形成術
脊椎疾患
様々な症状を呈する脊椎疾患へ、診察・精査によって診断を確定し、丁寧な説明で病状を理解していただくことを心がけています。治療は内服・ブロック注射・牽引などによる保存的治療を一番に、十分な効果が得られない場合には手術を行います。小児期に介入が必要な脊柱側弯症や、高齢者の姿勢異常の原因となる成人脊柱変形についても診療を行っています。
治療
- 腰椎椎間板ヘルニアに対するヘルニア摘出手術
- 腰部脊柱管狭窄症に対する後方除圧術および後方除圧固定術
- 頚髄症に対する頚椎椎弓形成術
- 側弯症に対する装具治療
骨折・外傷
骨折や外傷に対して、単純X線撮影やCT、MRIなどの画像診断を行い、小児から高齢者まで、手術が必要な骨折等に対しては積極的に手術・リハビリテーションを行っています。若年者・高齢者ともに、できるだけ早期の機能回復や社会復帰を目指した治療を行っています。また、骨折後の合併症等(偽関節など)に対しても診察・治療を行っております。
近年高齢化に伴い、高齢者の骨粗鬆症による脆弱性骨折(大腿骨近位部骨折・橈骨遠位端骨折・上腕骨近位端骨折など)が増加しています。大腿骨近位部骨折は、骨粗鬆症による骨折の中でもADLやQOLの低下を来しやすく、骨折後の死亡率も高いと報告されており、他科(内科・麻酔科など)と連携し出来るだけ早期の手術を目指しています。また、スムーズにリハビリを専門に行う病院へ転院することにより、早期回復を進めています。
骨粗鬆症
骨粗鬆症は、「骨が弱くなって骨折しやすくなる病気」ですが、最近では、優れた薬が多く使用できるようになり、進行を止めたり良くしたりすることも可能となってきています。当院では、DEXA法(腰椎・大腿骨)による骨密度測定や背骨のレントゲン、血液検査を組み合わせて診断、治療を行っております。
一回骨折を起こすと次の骨折を起こしやすくなるため(骨折連鎖)、過去に骨折したことがある方は積極的な骨密度測定、骨粗鬆症治療が必要になります。また、原発性骨粗鬆症だけでなく、生活習慣病(特に糖尿病や慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患など)や内科疾患等による続発性骨粗鬆症に関しても、患者さんのそれぞれの病態に応じた治療を行っております。
骨粗鬆症の予防と治療を重点的に行うことを目的に、2023年4月より骨粗鬆症センターを開設し、医師・看護師・薬剤師・診療放射線技師・理学療法士・栄養士・医療ソーシャルワーカー等の多職種で連携し骨粗鬆症連携チームで診療を行っています。
関節リウマチ
早期診断、早期治療介入により、寛解導入を目標とした治療を行っています。メトトレキサートをはじめとする抗リウマチ薬の使用に加え、生物学的製剤やJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬も必要に応じて導入しています。