業務内容
医師の指示のもと、放射線を用いたさまざまな撮影や治療を行います。
放射線を用いない画像検査もあります。
診断部門
一般撮影
いわゆるレントゲン撮影です。エックス線を患者さんの身体に照射して体内の情報を画像化する検査です。
胸部や腹部、全身の骨の撮影を行います。

乳房撮影
乳房撮影(マンモグラフィ)は早期の小さな乳がんを、白い影(腫瘤影)や細かい石灰化(微細石灰化)として見つけることが出来る検査です。
専用の装置で患者さんの乳房を挟んで圧迫しながら撮影します。
検診マンモグラフィ撮影認定を取得した女性技師が検査を担当しています。

骨塩定量
微量のエックス線を用いて腰椎や股関節を撮影し、エックス線の吸収される割合から骨密度を測定します。専用の装置に5分から10分程度寝ていただくだけの検査です。

透視検査
胃の検診でバリウムを飲んで行う消化管検査が有名です。消化管以外にも造影剤を使用する胆嚢造影や関節造影、脊髄腔造影などさまざまな検査法があります。
造影剤を使うことによって、単純撮影では観察しにくい臓器や病変を映し出すことができます。

CT検査
CT(Computed Tomography、コンピューター断層撮影)検査はエックス線を用いて、患者さんの身体の断面を撮影する検査です。
エックス線を出す部分と検出器を対にして回転させ、患者さんの身体の周囲360度方向から連続的にエックス線を照射して、水分・骨・脂肪・空気など身体の中の成分によるエックス線の吸収率の違いをコンピューターで処理し、身体の内部を画像にします。連続した断面の画像を作成することにより、体内の様子を立体的に把握できます。検査の目的によっては、造影剤を使用する場合があります。
私たち診療放射線技師は、撮影条件の設定、造影剤の注入タイミング、被ばく線量のコントロールを行っています。
また、撮影したCTのデータから三次元画像を構築し、診断や手術に役立つ画像を作成しています。


MRI検査
MRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像法)検査は強力な磁石と電波を使って、磁場を発生させて行います。放射線を使用しないので、被ばくはありません。
強力な磁場が発生しているトンネル状の装置に寝た状態で、電波を体にあて、縦、横、ななめなど、体のさまざまな方向の断面を画像にします。検査の目的によっては、造影剤を使用する場合があります。
検査中は非常に大きな機械音がするため、ヘッドホンを装着して検査をします。
MRI検査は体内の病気の部分と正常な組織の違い(コントラスト)の描出能に優れています。
また、造影剤を使用しなくても血管(MRA)や胆道系(MRCP)の撮影が可能で、様々な病気の早期発見や診断に有用な検査です。
私たち診療放射線技師は、撮影パラメータの調整、画像コントラストの調整、造影剤の注入タイミングのコントロールを行っています。CT検査と同様に、MRI検査でも撮影した画像の三次元的な処理を行い、見やすく・診断に役立つ画像を提供しています。
また、非常に強い磁場をもつ磁石を扱うため、患者さん・スタッフの安全管理を行うことも大切な業務のひとつです。


MRI検査での注意事項
強い磁石と電波を使用しておこなう検査です。検査室内に磁性体(磁石につくもの)は持ち込めません。なるべく、来院時に貴金属等の装飾品を身につけず、金具のない下着を着用してください。
血管造影検査
エックス線透視をしながらカテーテルと呼ばれる細い管を目的の結果へ到達させて、造影剤を注入しながら撮影することで、血管の情報がリアルタイムで観察できます。その場で動脈硬化などによって狭くなった血管を広げる血管内治療も行われています。安全に検査が施行できるよう、患者さんだけでなく術者の被ばくにも注意をはらって業務を行っています。
医師・看護師・臨床工学技士など他の職種と連携して、心臓・脳・腹部・四肢の血管など、全身の血管の診断や治療が施行されています。
核医学検査
ガンマ線という放射線を放出する放射性核種を標識した放射性医薬品を患者さんに投与し、体外から測定装置(シンチカメラ)で画像化し、定量測定を行います。
心臓(血流・代謝・交感神経・壊死)や脳(血流)など各臓器の機能を診断する上で重要な検査です。全身の骨への転移診断にも重要です。
核医学検査で得られた機能画像情報と、他モダリティ(CT・MRIなど)で得られる解剖学的な形態情報を融合することによって、より臨床的価値を高めた画像を提供することができます。


X線検査の注意事項
X線を使用する検査(レントゲン検査 CT検査 透視検)
- 検査をする際に着衣の最低限の脱衣をお願いする場合があります。
- 撮影部位にあるアクセサリー、エレキバンや湿布などは取り外してください。
(写真を撮らせていただく部位に、ボタンや、アクセサリー、エレキバン、小銭などがあると、診たいところがかくれて正しい診断ができないことがあります。) - 写真がブレないように、息を止めていただいたり、身体の静止をお願いしています。
- 撮影部位が複数ある場合は、途中で撮影室の移動をお願いすることもあります。
- 妊娠しているか、その可能性のある方は事前に医師にお知らせください。
- 的確な写真を撮影するため、検査を担当する診療放射線技師の指示にご協力下さい。
放射線治療部門
放射線治療は、手術・化学療法(抗がん剤治療)に並ぶ、がんの三大治療法のひとつです。
放射線治療の実施にあたっては、副作用が発生しないよう、あるいは極力小さくなるよう細心の注意を払っています。
私たち診療放射線技師は、放射線の照射や治療計画 CT 撮影を行っています。また、安全に放射線治療が実施できるように線量検証や装置の点検・管理を行います。

