骨粗鬆症センターについて
近年、高齢者人口の増加に伴って骨粗鬆症を患う方が増加し、 軽微な外力によって生じる脆弱性骨折が増加の一途をたどっています。 中でも、 椎体骨折や大腿骨近位部骨折は ADL や QOLを低下させて寝たきりや要介護になりやすいことや、 生命予後にも大きな影響を及ぼすことが知られています。 また、 脆弱性骨折後には高率に再骨折を起こしやすいことが知られており、より積極的な骨粗鬆症治療が必要となります。
当センターは、骨粗鬆症の予防と治療を重点的に行うことを目標に、2023年4月に設立されました。当センターの活動は、地域医療機関(かかりつけの病院、医院の先生方)との連携が不可欠と考えています。 地域での包括的な骨粗鬆症治療の取り組みや治療の継続が出来るようにご協力をよろしくお願い致します。

地域の先生方や院内からの骨粗鬆症の検査依頼に基づき、骨密度検査(腰椎及び大腿骨の DEXA)や胸腰椎のレントゲン、血液検査を組み合わせて診断、治療を行っております。また、原発性骨粗鬆症だけでなく、生活習慣病 (特に糖尿病や慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患など)や内科疾患、 薬剤(ステロイドやホルモン療法) 等による続発性骨粗鬆症に関しても、患者さんのそれぞれの病態に応じた治療を行っております。骨粗鬆症治療の3本柱は運動、食事、薬物ですが、 当院で治療方針を決定し薬物治療を開始した後は、基本的にはかかりつけ医での治療継続を依頼させていただき、当院でのフォローアップが必要な患者さんに対しては、年に1〜2回程度定期健診を行う方針としております。
骨折リエゾンサービス(FLS)
当院では、2022年4月より大腿骨近位部骨折で入院した患者さんを対象に、骨折リエゾンサービス(以下、FLS)を開始しております。FLSは、医師・看護師・理学療法士・薬剤師・栄養士・医療ソーシャルワーカー(MSW)等の多職種の連携により、脆弱性骨折後の骨粗鬆症治療開始率・治療継続率を上げるとともに、転倒予防を実践することで再骨折(二次骨折)を防ぐ取り組みです。骨折の治療とともに、入院後早期に骨粗鬆症の評価・薬物治療を開始しています。 当院で行った検査結果や治療薬等を記した「骨粗鬆症サマリー」を作成し、転院先や紹介元等の医療機関に加えて、かかりつけの病医院へも情報提供を行い、骨粗鬆症治療継続による再骨折予防を行っています。 今後、他の脆弱性骨折に対しても導入を検討しています。

受診について
2020年11月より毎週木曜日午後に骨粗鬆症専門外来を開設しています。 かかりつけ医等の医療機関もしくは院内からの予約制となっております。
STAFF
- 医師・看護師・理学療法士・薬剤師・放射線技師・栄養士・医療ソーシャルワーカー(MSW)・医師クラーク
現在、5名が骨粗鬆症マネージャーの資格を有しています。(看護師3名、薬剤師1名、理学療法士1名)