認定看護師制度は、日本看護協会が「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、
看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかることを目的」として作られました。
各分野において個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護実践を行う、看護実践を通して看護職に対し指導を行う、看護職に対しコンサルテーション(相談)を行うという3つの役割を持っています。
当院には6領域の認定看護師が在籍しています。
皮膚・排泄ケア認定看護師は、スキンケアの専門的な知識・技術を通して、創傷(床ずれや外傷、手術創)、ストーマ(人工肛門・人工膀胱・瘻孔)、失禁ケア(便や尿のコントロール)などを行います。患者への直接的なケアだけではなく、看護部全体の質の向上のためスタッフからの相談や指導を積極的に行っています。
また、専門分野のチーム医療を活性化できるよう医師をはじめ他職種への組織横断的な働きかけを行っています。
感染管理認定看護師は、患者やその家族および医療を提供する場で働く人々に対して、専門的な知識や技術を用いることにより医療に関連した様々な感染対策を行います。その活動は、病院内全ての部署に対して行うものだけでなく、地域の病院や関係機関とも連携を行うことにより、地域全体の感染管理の質向上への貢献が求められています。多職種と連携・ 協働を行うことにより、患者に安心・安全な医療が提供できるよう努めています。
救急看護認定看護師は急病や事故、災害などの救命に関わる現場において、迅速な対処を行うと同時に、危機的状況にある患者さんやご家族のこころのケアに取り組むことを役割としています。 救急の現場は、重症の患者さんにとって最後の砦であり、回復の第一歩を踏み出す場所でもあります。今行っている医療が、患者さんの数年後に影響を及ぼすことを念頭にチーム医療が推進されるよう働きかけを行っています。 また、院内の救急医療の質の向上を目指し、講習会を行うなど、救急分野において実践・指導・相談の役割を担うのが救急看護認定看護師です。
糖尿病は慢性疾患であり、生活そのものが治療となります。多様化するライフスタイルの中で食事や運動、薬物等の自己管理を続けることは多くのエネルギーを必要とします。糖尿病看護認定看護師は患者がその人らしく生活するためにこれまでの 生活の見直しやこれからの生活の取り組みが継続できるように療養支援を行っています。また、患者および家族やキーパーソンに対して、発症予防や病状に応じて必要な情報を提供すると共に指導を行っています。
手術看護とは、手術を受ける患者を対象として、安全で安楽な最良の手術が受けられるように医療チームの一員として情報を共有し、専門性のある知識と技術を提供することです。そして手術看護は手術室だけにとどまらず、術前や 術後を含む周手術期を通して患者、家族を身体的・精神的な面から支援しケアします。その専門家としての役割を手術看護認定看護師が担っています。
がん化学療法看護認定看護師は、がん化学療法に関する専門的な知識・技術を通して、がん化学療法薬の安全な取り扱いと適切な投与管理、副作用症状の緩和およびセルフケア支援を提供しQOLを維持しながら治療を継続できるように心身ともにサポートしています。また、がん化学療法に関する看護について看護スタッフからの相談・指導を行っており、チーム 医療を担う一員として、医師、薬剤師等他職種への調整役を担っています。